東京にやって来て最初の週末、
まだ土地勘も全くないし、近場でも散策するかと、家から池上本門寺へてくてく歩いて出かけた。蒲田からは、東急池上線だと2駅目が池上だ。
朝10時半前に家を出て、どうだろう30分くらいで着いたね。
どっしりとした構えの総門。江戸元禄期の建築で、安藤広重の『江戸百景』にも描かれている。この本門寺の文字、日本史でも習った、本阿弥光悦の筆だそうな。
この地は、日蓮が最期を迎えた場所で、寺院が寄進され池上本門寺になった。

門をくぐったところで、おいおい…いきなり心臓破りの急階段。此経難持坂(しきょうなんじざか)と呼ばれる96段ある石段。これ、あの戦国武将加藤清正が寄進したものだ。もー、お前の体力基準で物造るなと言いたい。

フガフガ言いながら階段を上がりきると、立派な仁王門がありその先に、でっかい大堂がある。写真では伝わりにくいけど、迫って来る感じ。この入母屋造りの瓦屋根がすごいわ。これも、加藤清正が建てたんだって。


へー建物も歴史あるけど、歴史上の人物のお墓も充実してるなぁ(言い方おかしいな)。紀州徳川家に狩野探幽、文学では幸田露伴、俳優・歌舞伎界では、市川雷蔵や7代目松本幸四郎…。プロレスラーの力道山のお墓もあるんだけど、墓石の横には、腕組みをする力道山のブロンズ像。

さて、境内を一通り巡ったところで、今度は食べるほうにいくか。普段なら、酒にすぐ走るところなんだけど、今回はくず餅だ。
c級呑兵衛は関西の人間なので、何ら疑うことなく、葛粉で作られた半透明の和菓子「葛餅」を思い浮かべるんだけど、これ全然違う。
文字で書くと「久寿餅」で、小麦粉の澱粉を発酵させ2年かけて作られる。江戸時代から受け継がれているもので、久寿餅は、この池上が発祥なんだそうな。だから、周辺に数店舗、久寿餅を食べさせるところがある。
食べ比べしてみよ。
まずは、「池上池田屋」から。江戸時代創業の老舗なんだよね。店頭販売もしているが、店内で食べよう。

久寿餅(きなこかけ:600円)。
はんぺんのように白っぽく、三角形にカットされた久寿餅。ここに、わさわさっときな粉がかかっている。ほーなるほど、ねっちりもちもちした質感なのね。
久寿餅そのものには、それほど味があるわけじゃないんだけど、このきな粉にほのかな甘さがあり、上品な甘さの黒蜜を加えることで、きな粉がより久寿餅と絡んでグー。

次に、東急池上線池上駅から北に伸びる道、池上本門寺通り商店会にある「浅野屋本舗」。製造直売の文字がそそるねー

ここの自家製くずもち(380円)は、もちもちした食感よりも、プリンプリンな食感で弾力がしっかり目。黒蜜はやや甘めながら、きな粉がこれまた非常に香ばしい風味が強くって、いいバランスを保ってるわー

普段さぁ、こうして甘いものを食べないでしょーそれをハシゴして…
ではあるんだけど…ここでもう一つ、寒天食いたいなぁ。えーい!クリームあんみつ(670円)をオーダー。
キューブ上にカットされた寒天、エッジがきいて固そうに見えるんだけど、口に含んだ途端のホロホロと崩れ、この食感が何とも気持ちいい。伊豆の上質天草100%を使ったこだわりの手作り寒天なんだって。

最後は、東急池上線池上駅前「浅野屋本店」。まぁ、貫録のある店構えですな。
あ…店の看板に「葛餅」って書いてるじゃん。混乱するねー
ただ、この店は久寿餅発祥の店といわれていて、宝暦2(1752)年創業の老舗。ここは、お客さん一杯だな。

小倉くずもち(480円)にするか。あ…久寿餅差し置いてなんだけど、餡がウメー
あら、ここの久寿餅は先の2店と全く違うぞ。出出し生麩を思わせる、軽くもっちり感とほどよい弾力。それに、何の味だろう…独特な風味を感じるぞ。

あー食べた。
たまには、こういうのもいいな。
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